園児 生活発表会 お遊戯会 劇の題材 感謝の気持ち「ありがとう」をテーマ 2021年 最新

春、1年のスタートですね。
新しい園児さんが入園して生き生きする春です!
そうしているうちにもう1年の行事の予定を立てる時期ですね。そんな先生方にぜひ読んでいただいて、足取り軽くスタートして欲しいと思っています!

幼稚園・保育園・こども園の先生にとって、劇の制作・指導という仕事が一年の行事の中でも一番大きい仕事であることは間違いありません。
それだけにまず、「劇の題材を決める」このスタートは大きな一歩です。
題材選びはそれぞれの園によって様々ではあります。
年長さんの劇は毎年絶対に決まっている園。
この学年は昔話・・・などとなっている園。
なんでも自由だけど昨年とは絶対に同じものをしない園・・・色々です。

しかし劇をする意義として「劇を通してこどもたちに何を学んでほしいか。」「どう成長してほしいか。」ということは絶対にみなさん考えられることです。
そのためにも「劇のテーマ」はきっちりと決めてスタートしたいですね。

例えば・・・
・夢を持って自分に自信を持って進んでいく
・友達の大切さを感じる
・心豊かに、個性を生かしてみんなで力を合わせて一つのことを作り上げる
・人を思いやる気持ちを育む
・仲間はずれや意地悪をしないでみんなと仲良くする
・食べ物には愛情や気持ちがこもっている、という食育
・混色を学ぶ第一歩
・物事を観察し工夫することを覚える
・想像力を育てる

上記はPETIPAの劇発表教材のそれぞれの劇のテーマを少しピックアップしたものですが、一つの劇にはきちんと教育的テーマが根底にあります。
先生の受け持っている学年やクラス、他のクラスとの兼ね合いも考慮に入れながら、次にする劇のテーマを考えられていることでしょう。

今回は・・・ 「ありがとう」「感謝」ということを劇のテーマにしたらどうだろう・・・
こどもたちに「感謝」ということをちゃんと教えたい!
素直に「ありがとう」という言葉が言えるようなこどもになってほしい。
人に優しくできるこどもになってほしい
ありがとうと言われた時の嬉しい気持ちをこどもにわかってもらいたい・・・
そんな風に思っている先生に読んでほしいと思い書いていきます。

目次

まずは・・「感謝」ということをどうやってこどもたちに教えよう?

毎日こどもたちと接している先生にとって、小さい時から「ありがとう」ということ、その意味、そして心からありがとうと言えるように、と努力していらっしゃることでしょう。
この文章を書くにあたって、「小さいこどもに感謝ということを教えるためには」ということを書いている文章をたくさん読みました。
どの文にも
・たくさんものを与えすぎない
・大人がお手本を見せる
などということが書かれていました。
もっともなことばかりでしたが、保育現場の先生方は具体的にどうしていらっしゃるのか、直接お聞きする方がよくわかると思い、PETIPAと日頃からお付き合いのある全国の先生に教えていただきました。

A先生
「感謝の気持ち」という目に見えないものを伝えるのは難しいです。目に見えないものを、いかに自分が表現して見せるか。ということは先生が「ありがとう」をいう、行動で見せる。こどもが「ありがとう」を言えた時、「あなたが嬉しいと私も嬉しいよ」とその行動がいいことなんだ、いいことをしたんだということの経験を積み重ねる。
「ありがとう」は特別じゃないけどとても大切な言葉ですものね。

B先生
0~2才児ではまだ伝わらないですね。
けれど継続が大事です。「〇〇ちゃん、△△ちゃんに靴履かせてくれたの?助かったよ、ありがとう」など、先生の方から「ありがとう」を伝える。この繰り返しです。

C先生
今は1才児なので、なかなか伝えられないのですが、友だち同士の貸し借りや、嬉しかった時などの時に、その場面ではどういう言葉で伝えたらいいかを教えたり、一緒に言ってみたりはしています。
そして、保育士同士も子どもが見ている時に「〇〇先生が〇〇してくれたからとても嬉しかったよ。ありがとう」など目の前でやりとりをして気持ちを伝えている場面を見せています。
幼児はいろんな行事の中で話したり、絵本の内容を考えながら気持ちをみんなで共有しています。
例えば母の日にはお母さんの好きなところや、何をしてもらったら嬉しかった、その嬉しかった時はどうしたのか、などを聞くようにしています。
年少は引き出すのが難しいのですが、年中くらいならいろんな意見も出て、改めて「ありがとう」は大切なんだと納得してくれる子もいます。

D先生
当園は仏教保育をしています。
1ヶ月にいちど、お参り会があり、園長先生から法話をききます。
日々の積み重ねで…例えば、お盆の話しで、みんながいるのは、沢山の命のつながりがあって、元気に過ごせるように仏さまが見守ってくれている。それに対してありがとうって思う事で、みんなが頑張っている時に力を貸してくれるとかです。
雪がひどい時、皆んな朝起きたらお部屋の中はどうなってるかな?暖かいよね。それは、お母さんやお父さんが早く起きて暖かくしてくれてる。皆んなより早く起きてね。皆んなありがとうって…の様に、具体的に今の状況に対して伝えている感じです。
しかし、まずは、職員が子どもに対しても、今日も元気に来てくれてありがとう。待ってたよ。など、日々声がけやお手伝いをしてくれたりしたらその時に感謝の気持ちを言葉に出す事の繰り返してですね。もちろん、職員同士でも、声をかける事を意識しています。

E先生
園生活の中で、保育者が「ありがとう」「嬉しい」と言う場面をたくさん子ども達に見せて、「ありがとう」ってどういう状況のことなのかということを見て経験してもらいます。
次に友達同士のやり取りの中で、ありがとうを言う場面で「今◯◯してもらって嬉しかったね」「ありがとうって言われるととっても嬉しい気持ちになるね」「ありがとうって言う方も言われた方も嬉しい気持ちになる魔法の言葉だね」と経験の中で大切さを伝えます。

どの先生も丁寧に答えてくださいました。
先生方の日々の努力と暖かい気持ちがとても伝わってきて、こうしていただけたら本当に嬉しいな、と母親の気持ちになってしまいました。
私も3人のこどもを持つ親ですので、まだ何がなんだかわからない小さい時からでもこうして接してくださってる先生方には頭が下がってしまいます。

なるほど!
こうして具体的に教えていただいている中に共通点があります。
それは・・・
・積み重ねであること
・一度きりではなく継続が大切だということ
・先生が率先してこどもたちの前で感謝をすること

どの先生もこのことをおっしゃっています。
その繰り返しであると。
いろんな個性のこどもがいて、先生に教えてもらったらすぐに「ありがとう」と言える子もいれば、心の中ではわかっていても言葉にできない子、態度に出づらい子もいますよね。
それでも先生方は繰り返し繰り返し教えていらっしゃるのです。
やはり「感謝をすること」が本当に大切だからその努力をされるわけですね。
しかし、やはりこどもたちに感謝を教えることはとても難しいと言われます。

時代を考えてみる。

今度は今のこどもたちを取り巻く環境を考えてみました。
昭和真っ只中生まれの私の時代と比較してみましょう。

例えば・・・
私が小さい時はまだエアコンというものがとても珍しい時代でした。
今ほどの暑い夏ではありませんでしたが、真夏、暑くて暑くて・・・夜寝るときに母がうちわでパタパタしてくれたら本当に嬉しかったものでした。
今は暑い!と思えばすぐクーラー。寒い!と思えばすぐに暖房。
そんなにひどく寝苦しかったりすることも少なくなりました。
でもうちわで仰ぎっこして「あー気持ちいい!ありがとう!」ということもなくなりましたね。

買い物も大きく変化しました。
昔、母と一緒に行く市場は大好きでした。
お肉はお肉屋さん、魚は魚屋さん、八百屋さんに、乾物屋さん、お花もお漬物も全部お店が違いました。
今はスーパーをぐるりと回れば全部揃います。
母との市場での買い物は、それぞれのお店でのやり取りも楽しく、必ず最後には「まいどありがとう!」と言われたらこちらも「ありがとう!」と交わし、私が一緒だと「まゆみちゃんにこれあげよ!」とおまけをもらって、小さいながらも「ありがとう」と言って嬉しかったものです。
その日の買い物一つをとっても一体何人の人に何度「ありがとう」と言っていたことでしょう。

今はスーパーで無言で買って、セルフレジであれば誰とも言葉を交わさずに買い物ができてしまいます。
便利な反面人との少しのコミュニケーションもなくなりつつあります。

私は小さいときかなりひどいアレルギーでじんましんがよく出ました。
夜中にひどく出ることもあり、そのたびに小児科のお医者様のご自宅まで行き、先生を起こして夜中に見ていただくことも度々でした。
先生はお休み中なのにいつも優しく見てくださって、本当にありがたかったものでした。
母といつも深々と頭を下げて「ありがとうございました。」とお礼を言っていたことを思い出します。
今は夜中でも慌てずにネットで状態を検索することもでき、遅くまで開いている薬局もあります。

連絡もメールひとつで簡潔です。
私の小さい時は電話も全ての家にあったわけではありません。
どうしても伝えないといけない時は「呼び出してもらう」ということをしないといけない時もありました。その家の電話を貸していただくわけですから、こちらからも「すみません、お願いします。」ということと、「本当にありがとうございました。」ということは言わないといけません。

など昔と今との環境を比較してみると、なんて便利になったんだろう、と思う反面、「ありがとう」という言葉を言う機会の少なくなったことと、実際に「ありがとう」を言わなくても暮らしていけるようになった・・・これほどに、と我ながらびっくりしました。

こどもたちには体感してもらいたい!

これほど便利になった世の中に生まれたこどもたちです。
それも生まれてまだ数年です。
自分の周りにそんなに困ることがないのですね。
当たり前のことなのですが、「感謝」と言うことを教えていくのに、なかなかちょっとした困ったことや手助けを必要とすることが昔ほどないのです。
それでもこどもたちには感謝を教えたいと先生方は努力されているわけです。

先ほどの先生のお話を読んでいると、なかなか0歳児〜1歳のこどもには「ありがとう」と言うことを教えるのは難しくても継続していれば年中さんくらいになれば自然と理解してくれると書かれていました。
そこで、一番最初の話題にに戻り、劇の題材に「感謝」「ありがとう」というテーマを持ち、劇の練習期間から本番までの長い期間に実際に体感することは素晴らしい経験になると考えました。

劇であるからにはいろんな人が登場します。
一番こどもたちが理解しやすい同年代のこども・お母さん・お父さん・おじいさん・おばあさん・小さいこども・女神様・そして他人・・・
いろんな立場の人の役になって考え、困ったり、困った人を助けたり、助けられて「ありがとう」という。反対に助けてあげた時に「ありがとう」と言われる・・・
「ありがとう」と言われた時のなんとも言えない嬉しさ、幸せな気持ち!

そう、ここが大切ですよね。
何かしてもらったら「ありがとう」と言うのは決まりになったり、当たり前になったりしてしまいがちです。
でも人に何かをしてあげて「ありがとう」と言われた時、その時どう思ったか、どんな感情になったか・・・ここが一番体感して欲しいところなのです。
「感謝」をすることはもちろん素晴らしいことです。
しかし「感謝」をしてもらった時の幸福感。
この幸せな感覚をまた次もしたいな、と思うこと。
それが幸福感の連鎖になっていくこと。
自分が「ありがとう」と言われたことが嬉しくて、また何か人の役に立つことをしよう!と思うことこそが素晴らしいことなんですね。
強制的に「ありがとう」と言わされるのとは大違いです。
実際日常生活の中で、そんなに困ったことに巡り合わない昨今です。
劇中ではいろんなことをたくさん経験できるのです。

では劇の根底に「感謝」「ありがとう」を入れるにしても、劇を通してこどもたちがより深く理解し、劇として感動を呼ぶためにはいくつかポイントがあります。
それを今からお伝えしましょう。

先ほども保育者の先生がおっしゃっていたように、あまり小さい園児さんには理解し難く、セリフも言えないので、年中さん〜年長さんに対応する劇、としてお話を進めていきます。

こどもたちもお客様も感動できる劇にするためのポイント

その1 主役がこどもであること。

劇の登場人物には色々あって、案外動物が主役であったり、想像上の人が出てきたりもします。
例えば一寸法師・・・こどもには一寸という小ささの人間ってわかるようなわからないような・・・
狼がおばあさんに化けて・・・絵本として読んだりお話を聞かせてもらうと想像はできても、さてそれを演じるとなると案外難しいものです。
昔話や外国のお話を劇としてするのは保育業界では当たり前のことですね。でも「違う人物(動物)を演じる」と言うことですから、こどもにとっては案外難しいことをしているのです。
ですから劇を通してより深く理解し、体感し、成長してもらいたいのであれば、こどもたちがすんなり役に入れる配役をつけるのがいいと思います。

では「主役がこども」だったらどうでしょう?
こどもがこどもを演じるのですから、体格的にも無理はありません。
楽しい!悲しい!嬉しい!と感じる感情もこどもが感じるそのままでいいわけですからとてもスムーズです。大人びて感じることもないのですから。
動きもそうです。
体全体を使って演技をするのですから、こどものままであればとても自然ですし、それが一番リアルです。
セリフも無理して低い声で言ったりしなくてもOKです。

よく今は「リアクション」と言う言葉を使いますが、リアクションすることが大切なことではなく、何かの事柄について自然に反応が出ること、その場その場が初めて出会う人であったり、初めての事柄であったりして、その反応が自然に出ることが大切なのです。
少し演劇論のようになってしまいましたが、リアクションという演技をすることが大切なわけではありません。
そのためには、自然な感情で自然体な体の状態の方が無理がないということです。
ですからこどもの役は演じやすく、無理が少ないということです。

その2 こどもが想像しやすい事柄で進行すること

起承転結のある劇のストーリーのためには、色々なことが起こっていきます。
カメを助けて海の中の竜宮城へ連れていかれる・・・・まずは海の中の竜宮城・・・とても想像力のいる作業をしなければいけません。もちろん絵本などで見るわけですが、演じるときにはどれだけその竜宮城が素晴らしいところかが想像できると、その後につなげていきやすいですよね。
こどもが「綺麗でいいところだなあ〜」と体感できるようになることは大切です。
しかし、これもどの園でもしている題材ですから、幼稚園・保育園では当たり前のように劇にしています。きっと難しい・・・とは考えられないことでしょう。舞台の人間から見たら案外難しいのですよ。
想像することはとても大切です。
それが悪いと言っているわけではありません。
でもより簡単に日常生活に根付いている事柄、こどもたちが普段経験している事柄を少し膨らませて劇に盛り込むことにより、より深く理解できることがあります。
例えば・・・
お腹がすいて倒れてしまう旅人の役がいる・・・
こどもたちはお腹がすくという経験はしたことがあるでしょう。
いつも「お腹がすいたー!」というその延長線上で、「じゃあお腹がもっともっとすきすぎたらどうなるかな?」と言えば、こどもたちは頭と実際の感覚で想像してとてもリアルな体感ができるはずです。
お腹がすきすぎて倒れてしまう!・・・そんな人がいたらどうする?・・と深く考えていくことができます。

家で飼っていた犬やネコが死んでしまったら・・・これも実際に家にペットがいたらすごくよくわかるでしょうし、飼っていなくても園にはウサギがいたり、植物もありますよね。
その悲しさは想像がつくと思います。

そんな身近な出来事で劇のストーリーが進行していくとしたら、こどもたちにとって想像力もどんどん膨らんでいくことでしょう。
そうすると、自分がそれだけお腹がすいたり、ネコちゃんが死んでしまったりして悲しんでいる人に対しての気持ちも自然に出てくるはずです。

実際身近にある事柄で進行する劇はこどもが想像しやすくてとてもいいのです。

その3 ブレない題材を選びましょう

大切なことや言いたいことをふんだんに詰め込んだ劇にすると、一番大切なことや一番伝えたいことがブレてしまうことがあります。
一年に一度の発表会です!
夢を持つことも、思いやしも、友達と仲良くすることも、みんな大切だし、みんな入れたい!
もっともなことです!
でも、劇のテーマはわかりやすくこれ!としぼった方がより鮮明に伝わると思います。

先ほど「感謝」ということをこども達に伝えるために読み聞かせや紙芝居をして教えているE先生がこんなこともおっしゃっています。

「ありがとう」を園生活の経験以外の場面で伝えるとしたら、紙芝居や絵本を通して伝えます。
ただ、「ありがとう」がたくさん出てくる物語って、不思議ですが、「ゴメンね」って言葉もたくさん出てきて、ストーリーを振り返った後に「ありがとう」よりも「ゴメンね」の言葉の方が子どもの印象に残っていて、「ありがとう」が消えてしまうことが多いように感じます。

このコメントは印象的でした。
そういえば、本を読んでも映画を見ても「えーあなたはそう取るの?」ということがありますよね?
人は物語の中から自分の心に一番届く事柄やメッセージが心に残ります。
たくさんの要素がありいろんな方向からのメッセージを発信して、人々が自分の立場で考えてほしい、と作られているのならそれはそれで成功です。
しかし、発表会の劇のテーマはもっと「これを伝えたい」というイメージのはっきりしたことにする方がダイレクトに客席に伝わります。
ストーリーを知っているから、という一歩先のポイントを持っての発信でなくても絶対に大丈夫です。伝わります。

その4 劇として必ず山場や感動ポイントがあること。

そうは言っても1年に1回の生活発表会です。
保護者の方や先生の前でする劇ですから「見せ場」「感動するところ」がほしいですよね。
それを最初から前提において作るのが脚本であり、同じ台詞や場面であったりしても感動していただくために工夫するのが演出です。
あとで詳しく説明しますが、まずは演じるこどもたちが喜んで「面白い!」と思える場面を作ることも大切です。
例えば・・・
いじめっ子が女神様に動物に変えられてしまいます!・・・そういう場面があります。
普通に演じてしまえば、いじめっ子の役のこどもが退場して、次に動物に変えられてしまったこどもがすぐに出てきます。・・・
これでは演出としてあまり盛り上がりません。
想像してみてください。
一瞬にして早変わりのように、こどもから動物に変わったらどうでしょう!!
お客様も「オーー!!」という演出ができるのです。
こんな場面があると、舞台で演じているからこそのエンタメ性が出るのです。
(あとで写真入りで説明します。)

もう一つ感動ポイントには音楽が必須です。
メロディも大切ですが、音楽やBGMの入り時、フェードアウトの仕方などは本当に大切です。
このタイミング一つで感動するかしないかが決まるくらいの大きなことなのです。

では本当に大切な「感動ポイント」についてお話ししましょう。
ちょっとシビアなお話ですが。
生活発表会のお客様はほとんどが園児の保護者の方です。
普通の舞台の客席とは客層が全く違います。
ということは、発表会のお客様は限りなく暖かいのです。
出演者であるこどもたちを最初から応援し、激励し、拍手を送ってくださいます。
「面白い劇だよ。」と聞いていたらもう笑いに来てくださる。「感動して涙が出そうになるよ。」と聞くと感動の涙を出そうとしてくださるのです。
だから客席と舞台が一体化して暖かい拍手が渦巻きます。
発表会はそれがいい、とは思います。
でもそれだけでいい、とは思いません。

まず根本的に何に感動するか。
間違いなく「一生懸命な姿」が一番の感動だと思います。
台詞をなぞって余裕しゃくしゃくでする劇ではなく、こどもたちが舞台の上で本気で感じ、本気で台詞を言う・・・まずはこれで感動ですよね。
そのためには先ほどのポイント1・2を考慮に入れることが大切です。
しかし劇というのは脚本の最後の落とし込み、どこに落とし込むのか・・・という最終目的のところに演出・音響・照明・衣装・道具などの総力をあげて突き進むものです。
お客様の心を打つために、どのように持っていくか。
どんな気持ち、どんな事柄が一番感動してくださるかを真剣に考えぬいて書くのが脚本家の役目です。
こどもの劇だから、昔話だから必ず感動する、とは言えません。
こどもたちが先生と一緒になって本気でかかっていける内容、ストーリーを「舞台で演じることを目的として」書かないと本当の感動の舞台は作れない、と思っています。

少々大きなお話になってしまいましたが「本気でかかれる」感動の劇のストーリーをこれからご紹介しますのでご覧くださいね。

「はじめてのありがとう」

配役

グータ(こども)   男の子でも女の子でもOK
ツッキー(こども)      〃
ワーリー(こども)      〃

イヌ(グータ)    3人組はダブル・トリプルキャスト、何人でもできます。
タヌキ(ツッキー)
カラス(ワーリー)

旅人 1
旅人 2       何人に増やしてもOK

おばあさん      一人でおばあさんと女神様の両方もできます。
女神様

疲れた旅人

迷子のこども
お母さん

おじいさん
おばあさん

ナレーション

ご覧のようにとてもたくさんの役があります。
役がたくさん欲しいクラスでも、少人数のクラスでも役の融通が利きますので大丈夫です。
女神様は何度か出てきますし、何人でもOKです。
もしも人数の少ないクラスでも、この役の人たちが一度に全員出ることはありませんので、場面を変えて何役でもできるので心配ありませんよ。

ではストーリーのご紹介です。

(まだ画像が少ないですが、これからどんどん、模範演技DVDからの画像や実際に上演された園様のこどもたちの画像も増やしていきますのでご期待ください!)

むかしむかし、一面にお花が咲き、きれいな川が流れる小さな村がありました。
畑では野菜がいっぱいとれ、木にはおいしそうな果物がなっていました。
村の人たちはやさしくて、お水も食べ物もたくさんあったので、旅人はみんなこの村で休んでいきました。

旅人が休んでいると・・・!!

(こども歌劇セットの読み聞かせ文より)

なまけもののグータ・うそつきなツッキー・いじわる大好きワーリーの悪い3人組が登場!
まさしくミュージカル風な登場の仕方です。

3人組のテーマソング「3人がいく!」をめちゃくちゃ元気に歌い踊ります。

「♪〜ぼくの名前はグータ 村いちばんのなまけもの〜♪」
(3番までそれぞれの歌詞で歌い踊ります)

ある日、ひとりのおばあさんが村にやってきました。おばあさんは長い旅をして、とても疲れていました。
「川はどこですか?」と聞くと・・・
「川は、あっちのお花畑のむこうだよ。」
うそつきなツッキーは本当の川と全く違う方向を教えてしまうのです!

疲れて帰ってきたおばあさんは「なんてひどい子達なんでしょう!こらしめてあげましょう!」
・・・あっという間に女神様になりました。
(このおばあさんと女神様の変わり方もダンス風な動きで見せます。)

女神様が魔法のダンスを踊っている後ろでは・・・・

さあ、ここが見せ所です!!
いたずらっ子のグータ・ツッキー・ワーリーは女神様の魔法で、犬とタヌキとカラスに変えられてしまいます。
時間にして1分少々。
お客様は女神様のダンスを見ている間に・・・意表をつく演出で変身を見せます!!
この変身の場面は舞台ならではの醍醐味です。


3人揃って出るのでこどもたちも先生も安心ですね。
何と言ってもダブルキャストにする必然性がここにあるのです!
クラスで劇をするときにどうしても主役をダブルキャスト・トリプルキャストにしたいですよね。
みんなに公平に役を演じてほしい気持ちはどの先生も同じです。
ここの演出法をすることによって、主役をたくさんのこどもたちが無理なく、必然性を持って演じることができます。
わざわざ一人の役なのに2人並んで出すということをしないでもいいのです。
この変身場面の演出は模範演技DVDでご覧いただくととてもよくわかりますし、演技レクチャーや特典映像がついていますので丁寧にわかりやすく解説しています。





(こども歌劇セットの読み聞かせ文より)

3人は何日も何日も泣き続けましたが、誰も気がついてくれません。
そこへとても疲れたひとりの旅人がやってきました。
お腹がすいて倒れてしまいます。

動物になってしまった3人はどうしてあげたらいいのかわかりません。
そこでワーリーが思いつきました。
「ぼくにまかせとけ! カラスのぼくは飛べるんだ。ひとッ飛びして、木になってるリンゴをとってくるよ。」
なんとカラスのワーリーがリンゴを取ってきて旅人に食べさせてあげました。
ムシャムシャおいしくリンゴを食べた旅人は元気になり・・・
「元気が出たぞ!ありがとう!!」と3人にお礼を言います。

3人は・・・
「ありがとう?ぼくたちがお礼を言われたぞ!」

今まで「ありがとう」などと言われたことがない3人はびっくりすると同時になんともいい気分で幸せな気持ちになります。

その場面に出ている人全員で「ありがとう」というテーマソングを歌います。
とても優しい曲です。
「♪〜ありがとう ありがとう はじめて聞いたありがとう〜♪」

旅人が去ると、小さい子どもが泣きながら登場します。
ママとはぐれてしまったのです・・・
これは大変!なんとかしてあげたくてもどうにもできません。
3人は頭を抱えて考えます。
するとグータが思いつきます!
「ぼくにまかせとけ! 犬のぼくは鼻がきくんだ。この子と同じにおいをさがせば、きっとママが見つかるよ。」

グータは子どもの匂いをかいで、クンクンしながらママにたどり着きます。
必死になって探していたお母さんと小さい子どもは会えたのです!
2人は「なんて親切なんでしょう。ありがとう。」お礼を言います。

またまた「ありがとう」と言われた3人は感動です!
再び全員でありがとうの歌を歌います。

嬉しそうに帰っていく親子の後に、オイオイ泣いて登場してきたのはおじいさんとおばあさん。
「可愛がっていたネコちゃんが死んでしまったんだよ。」とても悲しそうです。

また3人はどうしたらいいのか、ウ〜〜ン・・考えます。
するとツッキーが「ぼくにまかせとけ! ぼくのおなかはポンポコポン。太鼓をならして踊れば、ふたりとも楽しくなるよ。」
ツッキーが先頭を切ってポンポコお腹を鳴らしながらダンスをします。
それを見ていたみんなもだんだんつられて一緒に踊り、連なってダンスをしながら楽しく行進するようになっていきます。

おじいさんとおばあさんは「楽しく踊って元気が出たよ。あなた達のおかげだよ。ありがとう。」お礼を言います。

またまた「ありがとう」と言われた3人。
その場面に出ている人全員で「ありがとう」というテーマソングを歌います。

「♪〜ありがとう ありがとう はじめて聞いたありがとう〜♪」

そこに女神様が登場します。
「グータ、ツッキー、ワーリー、よくみんなを助けてあげましたね。
親切にしてあげたきれいな心にめんじて、もとに戻してあげましょう。」

女神さまが棒をふると・・・・
ここで再び布が出てきます。
もう要領はわかりますね。最初の時と反対に、布の後ろには人間のこどもの3人が隠れて登場します。女神様のダンスの間に動物の3人と交代して布とともに人間の3人を残して動物の3人は退場します。

3人組は人間にもどって「やったーー!!」飛び跳ねて喜びます。

グータ 「ぼく、これからは昼寝ばかりしていないで、お手伝いをするよ。」
ツッキー 「ぼくはもう、うそをついて、みんなを困らせたりしないよ。」
ワーリー 「ぼくも、いじわるするのはやめるよ。」

やさしくて親切になった3人は、村の人たちとも旅人たちとも仲良くくらしました。
それをみて、女神さまはお花畑でほほえんでいました。

ナレーションの間に全員が登場します。
今までいろんな役をしたこども達はどの役で登場しても大丈夫ですよ。

さあここからが感動の場面になります!

全員が揃いました。
一人ずつでも、グループになっても、全員が声を揃えてもOKです。
客席に向かって「呼びかけ」の形でのセリフを大きい声で言います!

「ありがとうって素敵な言葉!」
「ありがとうって大切な言葉!」
・・・・・
・・・・・

こどもたち全員が声を出せるように書いています。
この言葉が心から言えたら最高ですね!!
きっとこどもたちはすぐに心から言えると思います。
心から言えた言葉は絶対に客席に届くはずです。
お客様はきっと感動の涙でいっぱいになることでしょう。

最後は華やかにフィナーレです!
「ルンルンハッピー・げんきな子」をみんなで歌います。

「♪〜パッパッ おはながパッ キラキラ おひさまキラ ソヨソヨ そよかぜソヨ
きれいな村がありました
明るくやさしくなかよしで ぼくらはみんな元気な子
ハッピーハッピー オーハッピー ハッピーハッピー ラララララ〜♪」
(3番まであります。)

こどもの音階を考えて楽しく元気に歌えるように作曲したテーマソングです。
上演された全国の園のこども達は、このテーマソングはすぐに覚えて大好きらしいですよ。
声も出しやすく歌詞も楽しいし、歌振りもついていますのでフィナーレはとても盛り上がります。
上手のお客様・下手のお客様・正面のお客様にきちんと挨拶をする振りまで入っています。
そう!お客様に「最後までご覧いただきありがとうございました!」の気持ちを込めて・・・

模範演技DVDよりダイジェスト動画です!

こども歌劇「はじめてのありがとう」の模範演技DVDよりダイジェスト動画です。

プロの役者さんたちが演技してくださっているのでとてもわかりやすく、こどもたちにしっかりと指導できますよ。

ご覧ください!!

こどもが理解しやすいことが大切です。

ストーリーを読まれていかがですか?
とてもわかりやすい、と思われたと思います。
大切なのは・・・こどもが理解できる、理解しやすい。・・・ということです。
演じるのはこどもです。
生まれてまだ数年の経験と知識しかないこどもです。
もちろん想像することは大切ですが、経験の上に想像することを積み重ねていって欲しいですよね。
自分が直接経験したことではなくても身近にあったこと、見たり聞いたりしたことの上での想像はいいと思います。
あまりにかけ離れたことを劇にするのは、少し無理になってきますし、それによる反応や感情も嘘のものになってしまいます。

以前研修で伺った園様が「今劇の練習中なんですが、ちょっと見てアドバイスをしていただけませんか?」とおっしゃるのでその姉妹園の劇を見たことがあります。
人魚姫でした。
それもこども達は自分の声でセリフを言うのではなく、もともとお話を聞かせることを目的として作られたCDのセリフに合わせてゼスチャーをするだけでした。
つまりお芝居の「間」では全くないのです。
流れてくる声に合わせて動作をするだけです。
こども達は流れてくるセリフに合わせて動いて劇をしていましたが、そのセリフが・・・
「教えてください!本当の愛を!」・・・これがテーマだったようで、何度もこのセリフが出てきていました。こども達は何度も「教えてください!本当の愛を!」に合わせてジェスチャーをします。 きっと大切なセリフだからしっかり動きましょう、と言われたんだと思います。
こども達は先生の言う通りに頑張っていました。
「本当の愛」・・・そうですね、人魚姫のお話の根底に流れるのは大きい意味での本当の愛なのでしょうけれど、それをこども達が果たして理解するでしょうか?
する、と言うより・・・かなり無理ですね。能力の問題ではあません。
劇は発表会当日にちゃんと間違わずにセリフを言って、きちんと演技ができたらいい、というものではないと考えます。
大切なのは劇の練習中から当日、そしてその後までの長い期間に「劇を通して何を感じ、学ぶか」ということですね。
毎日毎日の練習中に、こどもたちは「教えてください、本当の愛を!」と心から思えるのでしょうか?

何ヶ月、何日もせっかく練習するのですから、劇の中の人物になってこどもの経験からくる「ありがとう!」を心から言うこと、「ありがとう」と言われることをした時の喜びの感情・・・などを本気で感じることの方が私は大切だと思うのです。

人魚姫のストーリーは誰でもが知っている、という前提で上演を決められたことでしょう。
人魚姫の題材自体が悪いと言っているのでは全くありませんよ。
違う切り口での脚本・演出の仕方があったかもしれません。
しかし題材選びを間違ったり、絵本や昔話の本をそのまま上演することにすると、到底こども達に理解のできないことをさせていくことになりかねません。
最初のポイントに書いたように「こども達が理解できる内容」ということを大切に題材選びをしてほしいと思います。

上演された園の先生方から感動の言葉をいただきました。

ある保育園の園長先生がお話ししてくださいました。

「はじめてのありがとう」をしようと思ったのは、この役にぴったりの元気な子たちがいたからです。本当に生き生きと演じてくれて心のそこから楽しい劇になりました。そして何と言ってもこの劇をした後のこどもたちの成長に目を見張ることがありました。みんな優しくなったのです!!きっと人に優しくすることが本当に自分達も幸せな気持ちになるということが身体中でわかってくれたのでしょう。指導した先生たちも感動しています。」という私たちにとっても本当に嬉しいお言葉をいただきました。
これこそが劇をする意義があるということだと感動しました。

こういう体験は幼児期でないとなかなかできにくいことです。
小学校でもそういう機会は少ないものです。
ぜひこどもたちには「ありがとう」と言われることをしたら、本当に幸せな気持ちになり、その幸せな気持ちをどんどん育てていける・・・そんな体験をさせてほしいと思います。

「夢の色ってどんな色?」という作品が、全国で爆発的に人気になっています!

年長さんの劇発表はなんとしても成功させたい!
そんな願いで先生方は劇の題材を探していらっしゃいます。
この「はじめてのありがとう」は感謝がテーマですが、「夢」をテーマにした「夢の色ってどんな色?」という作品が、全国で爆発的に人気になっています!
この「夢の色ってどんな色?」は卒園児さんに向けて書き下ろされたオリジナルの作品です。
教育的テーマ「夢を持って自信を持って歩いて行こう!」を根底に、個性を大切に、明るく元気に夢を持って巣立ってほしい、という願いを込めています。

『場所は妖精学校。
卒業を控えた妖精たちに卒業試験の問題が出されます。
問題は・・・「夢の色ってどんな色?」です。
さあ、難しい問題を解くために、妖精たちはたびに出ます・・・・・・』
こちらにとても詳しく写真や動画でアップしています。
年長さんの劇発表を絶対に成功させるコツ!もぜひご覧くださいね。

「友情」がテーマの冒険ストーリーの劇も大人気です!

劇のテーマは「友情」です。
一括りに友情といってもいろんな友情がありますが。
「ヨーホー・宝探し」はそれぞれ個性の違った海賊たちが主役です。
4人の元気な海賊たちが力を合わせて宝を探していく、というワクワク感たっぷりの冒険ストーリー!
年中〜年長さん向けです。特に元気で元気で仕方がない!というクラスにはぴったりですよ。

『元気な海賊リン、ルン、レン、ロンはキャプテンから宝の地図をもらいます。
キャプテンが言うには「4つ宝箱を集めたらお宝が手にはいる」そうです。
お宝!・・・4人はそのお宝を探しに元気に出発します。
でもあらゆる困難が出てきて・・・最後に4つ揃った宝箱から出てきたお宝とは???』
こちらをご覧ください。
ストーリーも丁寧に説明していますよ。作者が語る・・・という動画も大人気です。

こども歌劇人気3作品の特長や内容の比較

生活発表会の劇を決める時はいろんな事を考えられると思います。

クラスの人数・男女比・時間・・・そしてテーマ少し前はとにかく配役が多い劇を求められる先生が多かったのですが、最近は「少人数でもできますか?」というお問い合わせも多くなってきました。音楽や歌の多い劇が欲しいという先生、練習時間があまり取れないのでなるべく知っている曲があったほうがいいという先生、様々です。                その中でも「クラスのこどもたちにぴったりの作品」を探されている先生は多いですね。                元気すぎるクラスや少しおとなし目のクラス・・・など個人的にもクラス的にも個性があるものです。なるべくならその個性を生かしてあげて欲しいものです。

その中でも「クラスのこどもたちにぴったりの作品」を探されている先生は多いですね。

元気すぎるクラスや少しおとなし目のクラス・・・など個人的にもクラス的にも個性があるものです。なるべくならその個性を生かしてあげて欲しいものです。

「何と言っても年長さんの劇は成功させたい!!」

これはどの先生も一番に望まれる事です。

PETIPAのこども歌劇の年長さん向け作品の中の人気3作品を比較してみました。

(「ヨーホー・たからさがし」と「はじめてのありがとう」は年中さんでもできます。)                どの作品も本当に感動する物語です。                                       しかし根底にある教育的テーマが違います。                                    どの作品にするか・・・迷う!・・・これもいいかな?・・・う〜ん・・・という先生、ぜひこちらを参考にしてください。

そしてすでに「夢の色ってどんな色?」を上演された先生、他の2作品も素晴らしいものです。比較表をご覧になって次の劇はどれにするか・・・考えてくださいね。

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