実技研修「歌」まずは発声練習から〜

「歌」腹式呼吸〜発声練習〜応用

実技研修の中での「声」の研修についてリポートします。
一言「声」と言っても「歌の声」と「演技・セリフの声」とは練習方法が違います。
まずは「歌の声」の練習方法から。

(写真は島根県浜田市の清和会様の歌の研修からです。)

腹式呼吸〜発声練習

なかなかすぐに腹式呼吸を身につけるのは難しいことです。
でも「知らなければ」いつになっても身にはつきません。
本当のことを知ることはとても大切なことです。

腹式呼吸の練習方法

腹式呼吸を体感してもらうために、床に上向きに寝てもらいます。
そうすると肩甲骨が床に触れているために肩が動きにくく、横隔膜の動きを感じやすくなります。
自分の胴体が「風船」になった・・・とイメージして・・・
空気を吸って・・・風船を膨らませます・・・そうすると、お腹がふくれますよね・・・
吸った空気が横隔膜を動かしてお腹まで息が入る感じです。
確かに息は肺でするのですが、しっかり横隔膜を動かすとより深く息を吸えます。
そして息を吐く時には、風船をしぼませていくように腹筋を使いながらゆっくりと吐いていき、吸った息を全部吐き切るために最後まで腹筋を緩めないように、最後の最後まで息を出し切ります。
なかなかこれだけでも体がポワーとなるくらい体力を使うものです。

その感覚を体感としてよく覚えて・・・立ってもその呼吸ができるように練習します。
立つとどうしても息を吸う時に肩が上がってしまいます。ここに気をつけましょう。
立って腹式呼吸の練習方法もたくさんあります。長く息を続ける練習やスタッカートで息をきる練習、一気に強く出したり、細く長く出していく練習・・・などなど。とても楽しい練習方法があります。
そして腹式呼吸はいいことだらけです!声にするときにお腹から出て、のど声にならないし、遠くまで届く声になります。
体幹も使い身体中に酸素を取り入れられます。

発声の練習方法

まずは正しい姿勢で声を出すこと。
幼稚園の先生・保育士さんの職業柄、猫背になり、前肩になっていることから姿勢が丸くなってしまっていることが多いですよね。

これでは正しい発声はできません。
両方の足に均等に体重が乗り、背骨から首の後ろがまっすぐになり、頭のてっぺんから糸で吊られているようなイメージで立ちます。
肩甲骨は引き下げて・・・手の中指がパンツやスカートの側面の縫い目にそっと沿っていたら・・・だいたい正しい姿勢になっているはずです。
ピアノでの発声練習は私が宝塚受験前〜宝塚時代、ずっと声楽の練習で教えていただいた様々なメソッドの中から保育者の先生方に必要な音域・音程などを考えて選んで練習しています。
地声も裏声も使えるように。

何と言っても先生方の悩みは・・・子どもたちが怒鳴ること!

「大きな声で元気に歌おうね」と言ったら怒鳴る。「もっと小さくていいよ。」というと「蚊の鳴くような声になる。」です。
そのためにはお腹から声を出すことを覚えることです。

声は届けましょう!

大きい声だから遠くまで聞こえる、ということではありません。
ボリュームだけの問題ではないということです。
ボリュームを下げても声に芯があると声は「届く」ということです。
考え方をちょっと変えてくださいね。
「声を出して聞こえるようにする」のではなく「声を届ける」と考えてください。
小さい声でもきちんと発声して、きちんと発音するとちゃんと届くはずです。
ボリュームを大きくするから聞こえる、だけではないということです。
ここが大きなポイントです。
のどからの発声だけで怒鳴ってしまうと声帯に負担がかかり、声がれ・美しくない声・響かない声になります。
子どもたちは先生の真似がとても上手です。
先生がちゃんとお腹から声を出して、芯のある美しい声を出すと、すぐに真似をして子どもたちも綺麗な声を出すようになりますよ。

発声練習の音域は日頃歌っている歌の音域よりも上下にもう少し(3度くらい)広げたところまでを使って練習します。
でも人それぞれ音域が違いますし、男性保育士さんもいらっしゃいますので、あまり無理はしないでくださいね。
最初は無理だったとしても練習していくうちに少しずつ音域は広がっていくものです。それも楽しみですね。

発声練習の種類はいくつかありますが、研修の回数や先生方の声に合わせて選んでしています。
何度か研修を積み重ねていってる園の先生はどんどん声もよくなっていってますので、それに合わせて発声練習も少しずつ積み重ねています。
しかし、ここでもう一つ練習していかないといけないのが「発音」なのです。
日本語は母音が5個。
そこに子音がついて日本語になっていくわけですが・・・・
お腹から声が出ても正しく「発音」されていない声ではせっかくの声が台無しです。
発声練習を行うときに「発音」の練習も同時進行です。

では「発音」についてはまた次回詳しくお話しいたしますね。

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